お知らせ

校長の部屋へ ようこそ

 

本校の標語(School Motto)は

Read, See & Think.「読んで、見て、そして考えよ。」です。

和国生は幅広い学びや活動を通して、自分で考え自分で行動できるよう成長していきます。

3年間の一歩一歩の努力の積み重ねが将来の大きな夢の実現につながります。

Make each minute count! 

和国生の今後の活躍にぜひ御期待ください。

 

                                                         

                                                     校長  鈴木 啓修

日誌

校長日誌

3学期始業式校長講話

                    Think Outside the Box

  皆さん、新年明けましておめでとうございます。昨日の雪で今朝の登校はちょっと大変だったと思いますが、まずは大きな事故もなくこうして3学期の始業式が迎えられることを大変嬉しく思います。

 冬休みはどうでしたか?充実した時間を過ごすことができましたか?今回は2回目のコロナ禍の年末年始でしたが、帰省や初詣などの人出は、昨年に比べて少し多かったようです。皆さんの中にも、今年こそいい年になるよう地元の神社やお寺に出かけお願いした人もいると思います。特に受験を控えている3年生諸君は、受験に成功するよう神仏に手を合わせた人も多いと思います。しかし神仏に手を合わせただけでは受験は成功しません。「人事を尽くして天命を待つ。」という言葉があります。まずは最後の最後まで人事を尽くしてほしいと思います。

 さて2022年、令和4年という年を迎えたわけですが、この新しい年の最初の講話にあたり、今日は「Think outside the box」をテーマに話をしたいと思います。皆さんは「Think outside the box」というフレーズを知っていますか。これは「既存の枠にとらわれない、独創的に考える」という意味のよく使われるイディオムです。この「これまでの枠にとらわれない独創的な発想・創造性」という資質は皆さんのような、これからしっかり学問をし、社会に役立つ人間になろうと考えている若者にとって、とても大切だと思い今日のテーマとしました。

 昨年の11月22日に「ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム~次世代へのメッセージ」というイベントが北海道大学で開催されました。今年は「材料で未来を拓く」がテーマでした。フォーラムでは新しい化学反応をとおして、材料の新しい機能の研究をしている北海道大学の前田智教授や、LEDの開発で2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野博教授が基調講演を行いました。前田教授は100万回以上実験をして、やっと1つの革新的な化学反応が見つかる、それほど開発には時間とコストがかかるという話や、その一方で、コンピュータの性能が向上することで、計算化学が効率化しているといった話をしました。また天野教授はインベンションは1人でできるが、イノベーションは一人ではできない。これからの時代は、理学・工学の研究者が社会的価値の創出を担うビジネス起業家などと協働してイノベーションを起こさなければならないと語っていたそうです。

 さらに、このフォーラムでは「作ってみたい夢の材料」をテーマに高校生がアイディアを発表しました。その中の1人、北海道紋別高校の1年生が「屈折率1の物質を作りたい。コロナ禍でアクリル板が広がったが向こう側が見えづらかった。屈折率1の物質が開発できれば、光が屈折しないので見やすくなる。」という発表をしました。するとそれを聞いた天野教授は「私たちは眼鏡のレンズやコンタクトレンズに、今見ている情報に加えてインターネットの情報も映し出す、未来型のディスプレーの開発に取り組んでいる。それを実現するためには屈折率1に近い材料が必須だ。非常に素晴らしい視点だと思う。」とコメントしたそうです。

 私たちの日常で困っていること、変えたいことについて既存の枠にとらわれずに独創的に考えることで、新しいアイディアが浮かぶ。今はできるかどうかわからないけど、そのアイディアの実現に向けて、今日からやるべきことをこつこつと努力する。素晴らしいことではありませんか。新しく奇抜なアイディアを持っただけでは、なにも生まれません。まずは興味を持った分野の基礎をしっかり学び、先行研究を知り、その分野のこれまでの歩み、歴史を学びながら新しいものを創造する。2学期の終業式で私は「歴史から学ぶ」というお話をしましたが、人文科学だけでなく自然科学でも、研究する分野の歴史と対話することはとても大切です。研究分野の歴史、先人の歩みを理解した上で、これまでの枠にとらわれない独創的な発想が生まれるのです。

 このフォーラムには、1973年に「半導体のトンネル効果の発見」でノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈博士がビデオメッセージを寄せました。その中で江崎博士は「我が人生、何をなすべきか。人生はあなたが主役を演じるドラマであり、そのシナリオが問われる。試行錯誤を繰り返し、人生のドラマの主人公を的確に演じ社会に貢献してほしい。安定した社会では将来は現在の延長線上と思いがちだ。しかし変革の時代には、革新的なものが誕生し将来は創られる。決定的な役割を演ずるのは個人の創造性だ。行きがかりやしがらみにとらわれてはいけない。既成概念を超えるところに発見のチャンスがある。」と高校生にメッセージを送りました。まさしく「Think outside the box」のすすめです。

 今は変革の時代です。新しいウイルスとの闘い、気候変動、資本主義の行き詰まり、民主主義の危機。この世界の現状を見渡してみれば、決して安定した社会とは言えません。皆さんが社会で活躍する10年後、20年後に安定した素晴らし社会になっているよう、皆さんの創造性に期待しています。

 それでは今日から始まる3学期、創造性が発揮できるよう、日々努力してほしいと思います。

 

2学期終業式校長講話

                      歴史から学ぶこと

 皆さん、おはようございます。今日で2学期が終了します。2学期は緊急事態宣言の中、分散登校でスタートし9月いっぱい続きました。みなさんにとって、様々な不都合や我慢をすることもあったと思います。しかし10月からはコロナの状況も落ち着き、マスク着用は続いていますが、かなり通常に近い学校生活が送れたのではないかと思います。そんな中、今の表彰であったとおり、多くの生徒が様々な大会やコンテストで優秀な成績を修めたり、各種の検定で素晴らしい成果をあげたりしているのを見て本当に嬉しく誇りに感じます。3学期も是非、色々なことにチャレンジしてほしいと思います。

 さて、今日は「歴史から学ぶこと」についてお話しします。今年は1941年の「真珠湾攻撃」から80周年ということで、12月8日あたりではテレビや新聞などでは、様々な角度から真珠湾攻撃を検証していました。真珠湾攻撃、太平洋戦争開戦までの経緯については皆さんも授業で勉強したと思います。1937年に日中戦争を始めた日本。その後、日独伊三国同盟の締結や、南部仏印への進駐。それに対しアメリカは日本への石油輸出を全面禁止にました。そして最後の日米交渉でもアメリカからのいわゆるハルノートの提示で決裂。ついには真珠湾攻撃に至ったと歴史の事実として学んだと思います。しかし、そもそも何が根本的な原因なのか、どの出来事が最終的に開戦の引き金を引いたのか、その辺のところは盛んに研究されていますが、歴史的な解釈、位置付けは大変難しいところがあります。史実を研究して真実に迫ることは大切ですが、日本とアメリカのどちらが原因なのか、どちらが悪いのかといった議論は不毛であり、意味のあるものではありません。どうであれ日本は自国の国力も考えずあの無謀な戦争に突入し、とんでもない悲惨な結果をもたらしたことは事実です。

 当時の状況で皆さんに是非、注目してほしいのは国民の熱狂ぶりです。日中戦争が始まった時、国民は日本軍の快進撃に大いに沸きました。また太平洋戦争開戦後も多くの国民は、フィリピン・マニラ、シンガポール陥落のニュースに歓喜しました。当時の国民の多くは、日本軍の快進撃を熱狂的に支持したのです。昭和史の探求を続け、今年1月に亡くなった作家の半藤一利さんは、生前「国民的熱狂をつくってはいけない。その国民的熱狂に流されてはいけない」と語っています。また「絶対というものはない」とも語っています。彼は「日本は絶対勝つ」と大人たちに教えられ、その後悲惨な東京大空襲を生き抜き、そして敗戦を迎えた経験から「絶対」という言葉を嫌っていたのです。

 私は最近、政治家や専門家が中国、北朝鮮、韓国などに対して「毅然な態度で臨む」というセリフが増えているように感じとても不安です。政治家たちは常に私たち国民の反応を見ています。「毅然とした態度」という言葉に、もし私たちが熱狂的になれば政治家たちは必ずその方向に進みます。「毅然とした態度」という言葉に私たち国民は、熱狂的になってはいけません。国民が政治家の言葉に熱狂的になる…そんな雰囲気、空気というものが国をおかしな方向に導いてしまします。「絶対に日本は正しい」という外交はうまく来ません。うまくいかないどころか、危険な方向に向かってしまう可能性すらあります。

 12月5日の「読売新聞」こんな記事がありました。日本は1941年、真珠湾攻撃と同時に、実はマレー半島への上陸作戦を開始しイギリスとも戦いました。日本軍はマレー半島でイギリス軍を撃破し、多くのイギリス人を捕虜にしました。そしてその捕虜たちは、タイやミャンマーで鉄道建設などに動員され、東南アジア各地で劣悪な環境で働かされ、多くの死者も出ました。捕虜の中で生き残った人たちは、戦後も長く日本への反感を抱き続けました。元捕虜のジャック・カプランさんは1998年、イギリスを訪れた天皇陛下がロンドンでパレードを行った際、沿道で「日の丸」を焼き日本軍から受けた扱いに抗議しました。イギリスの大衆紙や日本のメディアがこれを報じ、カプランさんはにわかに注目を浴びました。その後のカプランさんのことはマスコミも全く取り上げませんでしたが、実は彼はその4年後の2002年に、日英の戦後和解に取組む民間団体が企画した「和解の旅」に参加して箱根や広島、そしてイギリス軍捕虜の墓地がある三重県などを訪れました。カプランさんは戦後の日本人と触れ合い、軍国主義の日本人との違いに驚き、戸惑い、恨みで固まっていた心は解け始めたそうです。そして旅の終わりにカプランさんは「日本人への恨みを墓場まで持っていかなくて済みそうだ」と語っていたそうです。そして遺族によるとカプランさんは、帰国後も日本で知り合った人々と手紙をやり取りするなどの交流を続け、2004年に88歳で亡くなったそうです。日本軍と戦った人、捕虜になったイギリス人のほとんどは亡くなっていますが、今も戦後和解の地道な努力は続いているという話です。これは日本とその敵国だった国との戦後和解の取組みのほんの一部のお話です。真珠湾攻撃で亡くなったアメリカ兵の遺族と日本兵の遺族も、今年80周年の慰霊祭を開催し、民間による和解の取組みが続いています。

 いずれにせよ、こういう話、過去に何があったかを知るということが皆さんのような若者にとって大切です。イギリスと日本との間にこのような事実が過去にあったということを知っておくことが大切です。皆さんが近い将来、イギリスに語学研修や留学する機会があるかもしれません。その時にこの過去の事実を知った上で行くのか、そうでないのかは大きな違いです。別にこのことを話題になるからとかいうことでなく、お互いの過去に何があったかを知った上で、目の前のイギリス人を見つめることが大切なのです。皆さんの心の中での感じ方、物事の見方に大きな違いが生まれるからです。

 私たちの「今」は過去があって存在します。過去と全く切り離された「今」はありません。人、自然、そして人間社会も過去と深くつながっているのです。ですから皆さんには、歴史の事実を客観的に学ぶことの大切さをしっかり認識し、歴史から学ぶ謙虚な姿勢を持ち続けてほしいと願っています。

 最後に、フランスの歴史学者、パトリック・ブシェロンの言葉を紹介して、終わりにしたいと思います。

           ~歴史学の姿勢は、史実を巡る対立を鎮め、和解を醸成することだ。~

 

それでは1月7日に元気に登校してください。

 

第2学期始業式校長講話

                       グローバル・リーダーの資質

 まずは、長い夏休みを終えて、皆さんが元気に学校に戻ってきたことを、大変うれしく思います。この40日はどうでしたか?部活や補習をがんばりましたか?本をたくさん読んで教養を高めることはできたでしょうか?1分1分を意義あるものにできたでしょうか?それぞれがそれぞれの時間を過ごしたことと思いますが、この節目にこの夏休みをどう過ごしたか振り返ってみることが大切です。

 今、新型コロナウイルスについては、デルタ株が猛威を振るい、10代の若者にも感染が広がっています。本校もあさって金曜日から分散登校を始めます。この後、担任の先生などから詳しいお話があると思いますので、指示をしっかりと聞いてください。今こそ皆さん一人一人が、高い意識を持って感染拡大防止に取り組む時です。

 さて今日は、グローバルリーダーの資質について話したいと思います。この夏休みは大規模改修の影響でいつも使っている職員玄関が使えず、私は生徒玄関から出入りしていました。ですから、いつもより多くの生徒とすれちがいました。すれちがう生徒のほとんどは、しっかり挨拶してくれました。「こんにちは」と元気よく挨拶されると、とても清々しい気持ちになりました。礼儀正しい本校生徒を誇りに思います。これは日本ではある意味、見慣れた光景ですが、一旦、日本の外に出ると決して当たり前の光景ではありません。私はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの高校を訪ねたことがありますが、本校の生徒のように元気に挨拶してくれる人はいませんでした。

 また、JICA(国際協力機構)に研修に出ていた時、東南アジアやアフリカなどの開発途上国に行きました。それらの国々のお店に行った時、店員さんがとてもぶっきらぼうだったり、スマホに夢中で接客すらしない店員さんが沢山いたことに驚きました。日本では考えられないことですよね。まあ、これは文化や風習の違いですから、しかたがないことだと思います。いずれにせよ、日本人の礼儀正しさは世界一だと思います。

 そもそも日本の礼儀正しさや、他人を気遣う思いやりなどの道徳観や価値観は、昔から日本の社会に根付いた文化です。他人の感情や考えていることを、言葉にしなくても敏感に察知し読み取る能力、自分がどのように振る舞うべきかを、自分と他人との関係性によって決定してく文化が根付いています。

 北山忍という社会心理学者が、これを「相互協調的自己観」と呼んでいます。日本をはじめてとして、東アジアでみられる自己観であると言っています。これは言語習慣を見ても明らかです。英語は一人称を示す言葉、すなわち自分のことを示す言葉は "I" の1語しかありません。しかし日本語は「私、僕、俺」など相手との関係やその場の状況によって敏感に使いわけます。先生が生徒の前で、自分のことを「先生」と呼んだり、子供の前で父親が「お父さんは…」と言ったりするのは日本語だけの特徴であり、言葉からも人間関係を重視するこの社会の規範が見えてきます。このような協調性を重んじ自分と他人との関係性を大事にする習慣は、長年、日本の社会に根付いた文化であり大切にすべきだと私は思っています。

 しかし戦後、この日本的な文化・価値観は否定される傾向にありました。「日本人は同調主義的で権威に弱い」と戦前の価値観は全て悪いものだと主張する、いわゆる「進歩的知識人」といわれる人々から批判されてきました。戦前の軍国主義や全体主義はこのような日本社会の体質が一因であり、これからは欧米のように主体性を持ち確固たる自己を備えた「近代的個人」に日本人は変わらなければならないとされました。

 さらに1989年のソ連崩壊による冷戦の終結、そして、その後の世界的に急速に広まるグローバル化がこの流れを決定的にしました。ヒト・モノ・カネ・サービスが国境を越えて世界中を自由に移動していく世界では、日本古来の価値観よりもグローバルな価値観、もっと言えばアメリカ的価値観でやっていかないとだめだということです。欧米型の個人主義、自律性、主体性、自己責任などの価値観が絶対的に正しいとされました。

 教育界でも「グローバル人材の育成」を謳い、主体的で自己主張ができる人材を育成しようとしてきました。でも本当にそれだけでいいのでしょうか?日本人が長年、受け継いできた人間関係を大切にする価値観を否定していいのでしょうか?私は違うと思います。

 もちろん自分の意見や考えを言葉にして伝えること、議論をすることは大切です。この先、世界中からやってくる外国人と共に暮らしていく多文化共生社会では、「以心伝心」というわけにはいきません。言葉ではっきり伝え、文化や価値観のことなる人々と理解し合うことが求められます。

 そのためにも「落としどころ」を見つける知恵が必要です。主体的に学び行動していくことは大切ですが、周りの人と協調し、一致点を見出すことが必要です。異なる価値観や文化を持った人々と共存していくということは、まさしく「おとしどころを見つける」ことなのです。

 また今、世界を冷静に見渡すと、このグローバルスタンダードは行き詰ってきていると感じます。世界のいたるところで、自国の価値観、文化を取り戻そうという動きは様々な形で現れてきています。

 現在、アフガニスタンで起こっていることを見れば明らかです。自分の価値観を一方的に押し付ける。しかもそれを武力で押し付けることが、いかにうまくいかないかがよくわかると思います。

 そしてもっと言うと、日本の伝統的な価値観が世界中で注目されています。私が訪問した開発途上国の多くでは、日本人の真面目さ、勤勉さ、正直さを尊敬の念を持って見くれました。「おもてなし」という言葉に代表される他人のことを気遣う優しい心が今、世界の人々を惹きつけています。

 ですから皆さんには、是非、真面目で勤勉で礼儀正しく、人の気持ちを察することのできる優しい和国生でいてほしいと思います。それこそがみなさんが「グローバル人材」に成長するための基礎的な素養だと私は思います。

 最後に、日本人女性で初めて国連事務次長・軍縮担当上級代表に就任し、世界的に活躍している中満泉さんの言葉を紹介します。

「謙虚さや自己主張が苦手といった日本人の資質が、国際舞台では足かせになるという考えを私は一蹴します。教育レベルの高さや勤勉さ「押しどころ」と「引き際」を心得たバランス感覚など、日本人であることは逆に強みになります。また、日本人は仕事を安心して任せられると思われていることも強みです。日本人は地道に努力して何でも一生懸命にやりますから信用されています。たとえば時間を守るとか私たちの体に染みついているごく基本的なことが、国際社会で働くときには評価されるのです。」

どうですか?励まされますね。

 本校は、「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」を教育目標に掲げています。そして教育理念の1つに「自国文化の理解」を挙げています。今日お話ししたような視点で我々の文化や価値観を見つめ、自国文化の理解し異文化を尊重していける真のグローバルリーダーに成長してほしいと願っています。

 それでは2学期、それぞれの人がやるべきことをしっかりやり、充実した時間を過ごしてください。

 

 

令和3年度第1学期終業式校長講話

                            共通善

                                    

 皆さんおはようございます。今日で1学期が終了します。今年は昨年とは違い、4月当初から学校を開くことができました。また「みづのき祭」も6月に開催され、忙しい1学期だったかもしれません。満足のいく1学期を過ごすことができましたか?

 私は始業式で、今この一瞬を精一杯生きること、今やるべきことを一生懸命に取り組むことが、コロナ禍で先の見えない今を生きる皆さんにとって大切なことだと話しました。「Make each minute count.」「一分一分を意義あるものにせよ。」みなさんはできましたか?是非、振り返ってみてください。自分の行動は自分自身が一番わかっています。この1学期の終わりという節目で、しっかり自分の行動を振り返ってください。それが次への成長に繋がります。

 さて、今日は「共通善」についてお話しします。我々人類は、この1年以上新型コロナウイルスと戦ってきました。この戦いの中で我々はこれまで考えたこともなかったことを考えさせられました。「オリンピックは何のためやるのか、誰のためにやるのか、スポーツの意義とは」など、コロナがなければ考えもしなかったことかもしれません。また今回、国は様々な業種のお店や施設に営業の制限をかけました。特に居酒屋などのお店にお酒を出すなという要請をしました。私にとっても生まれて初めて見る光景です。国家が私権、私の権利をどこまで制限できるのか、大きな議論になっています。「居酒屋に行ってもお酒が飲めない」という戦後の歴史の中で、初めての状況を目の当たりにして、多くの日本人は戸惑い、これまで考えたこともない国家権力について考えさせられています。

 そもそも国家権力と国民との緊張関係は、2500年前の古代ギリシャの時代から続いている議論です。人類はこの国家と国民との関係がどうあるべきか、長い間試行錯誤してきました。国王や貴族が国民を支配する封建社会から、市民革命などを経て、共和制や立憲君主制など様々な国の形、統治の在り方を実験しました。また、近代の民主国家になっても、立法府と行政府のどちらがより強い力を持つほうがいいのかなど、為政者が国民を統治する最善の形というのは、今も見つかっていないと言えます。そして国家が国民を統制する有効な手段として法律があります。法律を定め、やってはいけないことを定める。違反したものは罰する。とても効果的な方法です。法治国家の基本です。

 国家と国民との力のバランス保つために法律は必要だ。しかし正しい法律とは何か? 理にかなう法律とは何か?今度はこういう問いが出てきます。この問いに対して、多くの政治学者や哲学者、社会学者が答えを出そうと考えてきました。

 この問いに対する答えの一つのヒントとなるのが、先ほど紹介した「共通善」という言葉です。これまで、多くの社会学者や哲学者がこの言葉について語っていきました。古くはアリストテレスが「政治学」の中で「ポリスの最大の利益は共通善である」と言い、18世紀の政治哲学者ルソーは「社会契約論」の中で「一般意思」という言葉でこの共通善を語っています。最近では白熱教室で有名なハーバード大学のマイケルサンデル教授が、コミュニティーの大切さを語る時、この「共通善」という言葉を使っています。簡単に言うと、国を統治する為政者は「共通善」、つまり「共通の利益」のために政治をしなければならないということです。そして政府が国民の共通善を代表する限り、国民は政府に服従すべきである。もし支配者が私的利益だけを追求しようとすれば、国民は国家権力に従う必要はない。ある意味当たり前なことです。

 しかしここからが大事です。さらに国家と国民との力のバランス保つためには、国民の方も共通善、共通の利益を考えなければならないと多くの哲学者は言っています。自分のことだけを考えたり、利己的な行動を国民がとれば、国家と国民の力のバランスは崩れ健全な民主主義は成り立たないのです。そして、そのためには、国民は「知性」と「誠実さ」そして「徳」を備えていることが前提となります。何が倫理的に正しいかを判断できる、優れた知性と人格が国民に求められているのです。

 今日、皆さんになぜこの話をしているかというと、この部分が大切だからです。みなさん一人一人が、倫理的に正しい判断ができるために、優れた知性や人格を持つことが求められているのです。共通の善のために豊かな教養と人間力が必要なのです。

 今の日本では、戦前の反省を踏まえ、権力者が「何が倫理的に正しいか、道徳的であるか」を言うことは、まずありません。菅総理が「これは道徳的に正しいからやりなさい。」などと国民に言うことはありません。もし言ったら、それこそ炎上するでしょう。そんなことを言ってくれるのは、皆さんの家族か学校の先生ぐらいでしょう。

 しかし、この価値観が多様化した現代社会において、何が「共通の善なのか」とても難しい問題です。家族や先生が教えてくれる価値観も、その人、個人の考えです。100%正しいかわかりません。

 だからこそ皆さんには、教養を身に着け、人格を磨き、自分の頭で考え、何が倫理的に正しいか、何が共通の善になるかを判断する力を持ってほしいのです。

 今日、皆さんにお話ししたことは、大変難しい哲学的な問いです。しかし和国生の皆さんは、このような哲学的な問い、倫理学的な問いから目を背けてはいけません。

 当事者意識を持って、理想の民主主義の形について議論し、発言し、そして行動してほしいのです。それこそが、本校が育成を掲げている「教養力」と「人間力」であり、これから国際社会のリーダーとなる皆さんの義務でもあります。

 明日から始まる約40日間の夏休みが始まります。是非、教養を身に着け、人格を磨く時間にしてほしいと思います。部活動や補習を頑張り、たくさんの本を読み、充実した日々を過ごしてください。それでは、9月1日に全員、元気に登校してください。

 

令和3年度入学式 式辞

 

                             式 辞

  新緑が芽吹く春、すべての生命が躍動するこの佳き日に、保護者の皆様とともに、令和3年度入学式を挙行できますことは、本校教職員にとって大きな喜びであります。

 ただ今、入学を許可いたしました318名のみなさん、ご入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、みなさんを心から歓迎いたします。

 保護者の皆様におかれましても、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。

 本校は、1986年に全国初の公立の国際高校として開校し、35年目を迎えました。「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」という目標を掲げ、生徒・教職員が一丸となって、特色ある取組を実践してきた学校です。新入生の皆さんも、今日からそのチームの一員として、本校の新しい歴史を創っていってほしいと思います。

 さて、皆さんは本校の校風や特色を知り、入学後の充実した学校生活をイメージしながら、一生懸命に勉強し、高校入試という大きな壁を乗り越えて、本校へ入学されました。今日、晴れて本校の門をくぐった気持ちはどうだったでしょうか。きっと、これから始まる3年間の高校生活に大きな期待と緊張感で身の引き締まる思いでいることでしょう。今日のその気持ちを3年間ぜひ忘れずに、たくさんの挑戦をしてほしいと思います。そのスタートとなる入学式にあたり、私から心掛けてほしいことを2つ申し上げます。

 1つ目は「自分の考え、意見を持つ」ということです。国際社会は今、多くの課題を抱えています。ミャンマーをはじめ、世界の各地で自由や人権、民主主義が脅かされています。また気候変動、経済格差など簡単に正解が見つからない問題が山積しています。国際社会で必要とされるグローバルリーダーになるためには、まずは今世界で何が起きているのかを知り、探求し、深く考えることが必要です。そしてそれらの問題を解決していくための「考え、意見」を持つことが重要です。いくら外国語が流暢に使えても、自分の考え、意見がなければ、国際社会で通用しません。是非、本校での3年間で多くを学び、探求し、深く考え自分の意見をしっかり持ち、発信できる人になってください。

 2つ目は「多様な価値観を認める」ということです。グローバル社会グローバル化とは、なにも海外だけの話ではありません。日本の社会における「内なるグローバル化」は確実に進んでいます。現在、我が国には約288万人の外国人が暮らしています。また、埼玉県内の外国人も増え続け、令和2年6月末で19万6千人、県の人口に占める割合は2.7%となり、約50人に1人は外国人です。今はコロナの影響で、一時的に世界の人の動きは止まっていますが、コロナが収束すれば再び世界中から多くの人々が我が国を訪れ、この国を支える人材となってくれるでしょう。みなさんが社会に出るころには、外国人と働き、共に暮らすということはあたりまえになるのです。ですからみなさんには、多様な文化、宗教、価値観に関心を持ち、オープンな心で接し理解しようとする態度を養ってほしいと思います。近い将来、世界中から集まる人々と共に、平和で豊かな多文化共生社会を築いていくのは、まさにみなさんなのです。こういった「共感力」・「共生力」といった力は、机に向かっているだけでは養うことはできません。本校での三年間で、行事や部活動、海外研修やボランティア活動などに積極的に取り組む中で、多くの人と触れ合い、学び合い、語り合う中で育っていくものです。是非、本校での3年間で多くのことに挑戦し豊かな人間性を養ってください。

 本校に代々継承されているSchool Motto で「RST」というものがあります。これは、「Read, See, & Think. 」の頭文字をとったもので、「読んで、見て、そして考えよ」という、本校の校歌にも謡われているモットーです。 3年間、この言葉を忘れずに、たくさんのことを学び、自分で考え、自分から行動し将来の夢への扉を開いて進んでいってください。

 最後に保護者の皆様にお願い申し上げます。学校教育においては、学校・家庭・地域の連携が不可欠です。特にご家庭の協力なしには教育の成果は期待できません。私たち教職員一同、一丸となって指導にあたる所存ですが、各ご家庭におかれましても、本校の教育方針をよくご理解いただき、健康的な生活習慣や家庭学習について、ご指導いただきますようお願い申し上げます。

 結びに、限りない可能性をもった新入生の皆さんの大いなる成長を祈念するとともに、保護者の皆様には本校へのご理解、ご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。

 

                                          令和3年4月7日

                                          埼玉県立和光国際高等学校長 

                                                          鈴木 啓修

                                  

 

   

 

令和3年度着任式・1学期始業式を実施しました。

本日4月7日、着任式、1学期始業式を実施しました。昨年度の3学期終業式と同じように体育館に集まり実施しました。着任式では新たに和国に着任された13名の教職員を新2,3年生に紹介しました。その後の表彰では、吹奏楽部、少林寺拳法部、およびESSの表彰を行いました。始業式では、校長講話、生徒指導部主任の講話、そして新学年団、担任団が発表されました。今日から新しい年のスタートです。生徒たちはこれから始まる新年度に期待と希望に胸を膨らませていました。以下は校長講和です。

                         <校長講話>

みなさん、おはようございます。4月1日に第14代校長として着任しました鈴木啓修と申します。どうぞよろしくお願いします。

 実は、私は平成11年(1999)から平成16年(2004)まで、この学校に英語の教員として勤務していました。当時も英表でのディベートや卒論、また時事英語の授業など、かなりの時間とエネルギーをかけて指導をしました。とても大変だったことを覚えていますが、自分にとって大変勉強になりました。19年間、英語教員として教壇に立った中で最も充実した時間だったと思っています。そんな和国に戻ってこられて、大変幸せであります。

 さて、いよいよ今日から令和3年度2021年度がスタートします。昨年度はコロナの影響で、これまで当たり前にできていたことができなくなり、様々な我慢をしたことと思います。コロナ渦はもうしばらく続くとは思いますが、様々な工夫をしながらやれることを少しずつ増やしていきたいと思います。今日も3月の終業式と同じように体育館にみんなで集まれたことはよかったと思います。

 さて、今回の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は100年に一度の出来事であり、我々人類に大きな試練と多くの学びをもたらしました。私たちは生活様式を1から見直し、これまで当たり前のようにやっていたことの意義を改めて問い直す機会を与えられました。その中で特に人と人との触れ合い、バーチャルでなくリアルな世界の大切さを痛感した人も多いと思います。

 このコロナ渦から皆さんのような若い人が学ぶべきことは何か。それは、「いかに変化に対応できるか」ということだと思います。コロナ渦の世界は先の見えないことばかりです。東京オリンピック・パラリンピックは本当に開催できるのか。学校はこのまま続けられるのか。緊急事態宣言はまた発令されるのか。ゴールデンウイーク明けの社会の状況を正確に予測できる人など誰もいません。これほど不確実な要素が多い社会は私たちにとって初めての経験かもしれません。しかし私たちはその不確実で、予想のできない状況に対応しなければなりません。急な変化にいかに対応できるかが今問われています。

 では、どうすれば急な変化に柔軟に適格に対応できるのか。それは今やるべきことをしっかりやることです。今この瞬間を精一杯生きることです。今やるべきことに一生懸命に取り組むことが、これからやってくる様々な変化に柔軟に対応する準備となるのです。この先の世の中がどうなっちゃうのかと考えすぎて不安になり何も手につかない。集中できない。そんなことでは、変化に対応できないでしょう。心配したり憂える暇があったら、今を精一杯生きるのです。

 前任の山田校長先生は、「Small Steps, Great Dreams」をモットーとしみなさんに「毎日、小さな努力を一歩一歩続けること」の大切さを説いてきました。私はそれをさらに具体的に「Make each minute count」という言葉を校長のモットーにしたいと思います。「一分、一分を意義あるものにせよ。一瞬、一瞬を大切に。」という意味です。様々な変化に柔軟に適格に対応するために、今「一瞬、一瞬を精一杯生きる」。是非、覚えておいてください。

最後に、いよいよ今日の午後新入生が入学してきます。是非新入生を温かく迎え入れてください。そしてここにいる皆さんは新入生が憧れるようなロールモデルとなって、彼らをリードしていってほしと思います。

                                     

 

第3学期終業式・令和2年度を終えて

 3月23日(火)第3学期終業式を、今年度初めて生徒たちが体育館に集合して実施しました。緊急事態宣言のもとで臨時休校からスタートした1学期の終業式は放送で行いました。2学期は後半になって感染拡大が続き、終業式は各教室にてリモートで実施し、部活動の表彰も行いました。今年度これまでに全校生徒が一同に集まることができたのは体育祭と防災(避難)訓練のときだけでした。

 今回、1・2年生だけとはいえ同じ場所に集まり、全国選抜大会に出場する少林寺拳法部選手18名の壮行会を行うことができ、直接いろいろなことを伝えられる機会を持てたのは、以前は当たり前のことでしたが、今はとても貴重な時間だと感じました。

 校長からは生徒たちに、この大変な状況の中でも努力を続けてきたことは、今はまだ形にはならなくても必ず自分の成長につながっていること、そして今はまだ見えなくても、努力を続けて一段ずつ登っていけば別の景色が見えること、だから大変なことや難しいことに敢えてチャレンジして自分を磨いていってほしい、と話しました。こうした努力を続けた和国生が卒業し、将来はいろいろな世界で人々やより良い社会のために率先して行動できる人となって活躍してくれることを心から願っています。

 今年の桜は少し早いようです。4月には新入生を迎えて新学期が始まります。和国生の皆さん、ぜひ頑張ってください!    

                   埼玉県立和光国際高等学校長 山田 杉子 

 

 

第32回卒業証書授与式を終えて

 3月11日(木曜日)、暖かな陽ざしの降りそそぐ穏やかな春の日に、第32回卒業証書授与式を挙行しました。卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様にはお子様の晴れの日に1名ずつというお願いで申し訳ありませんでしたが、多数ご出席いただきありがとうございました。

 卒業証書の授与(各クラス代表)と校長の式辞、在校生代表(生徒会長)の送辞、卒業生代表(前生徒会長)の答辞、というシンプルな卒業式でしたが、それぞれにたくさんの思いが込められており、厳粛な中にもそれらがとても伝わった卒業式でした。

 残念だったことが2つあり、一つは、いつもは生徒のピアノ伴奏で、卒業生が目を潤ませながら歌っていた校歌が、感染防止の観点から歌唱は行わないことになり、歌入りのCDを流す形となったことでした。本校の校歌は、詩人の谷川俊太郎氏とご子息の賢作氏によってつくられたもので、代々歌い継がれてきたものです。この学校ホームページにも本校の校歌(聴くことができます)と谷川俊太郎氏の言葉が掲載されています。本校の校訓“Read, See & Think.”(「読んで、見て、そして考えよ」)が歌詞に込められていて、「読むことは考えること」「見ることはいつくしむこと」と出てきます。今年度は生徒が一緒に校歌を歌う機会は一度もなく残念でしたが、ぜひ校歌を口ずさんでいただき、和国生としてのスピリットを感じていただければと思います。 

 もう一つは、感染防止対策により、在校生が卒業式に参列できなかったことでした。令和元年度の卒業式は卒業生と教職員、今年度は卒業生、保護者、教職員で行い、1・2年生は2年連続で参列できなくなってしまいました。現2年生は、1年後に卒業を迎えますが、入学してから一度も本校の卒業式を経験しないまま自分たちの卒業式を迎えることになります。みづのき祭(文化祭・体育祭)もそうですが、下級生は上級生と一緒の場を経験することで、伝統を受け継いできており、来年度こそはさまざまな行事が本来の形で実施できるよう願うばかりです。

 それでも、無事に卒業式を実施することができたこと、保護者の皆様にもご出席いただいて卒業生の門出をお祝いすることができたことを大変有難く思っております。また、後援会、同窓会および本校関係者の皆様、地域の皆様にもこれまで大変お世話になり御礼を申し上げます。

 本校を巣立った第32期生の皆さん、今後の活躍を期待しています。

 そして、和国はこれからも皆さんのことを応援しています!

 

 令和2年度卒業式式辞.pdf

 

 

3学期を迎えて 和国生に期待すること

 1月7日(木)に3学期がスタートし、その翌日には緊急事態宣言が発出されましたが、それから2週間が経ちました。報道を見る限り感染者の減少には至っておらず、この状況の収束はまだ遠い先なのかと大きな不安に直面しています。

 初めての大学入学共通テスト(第1日程)が実施されました。3年生は前日の直前指導で緊張感が伝わってきましたが無事受験はできたようで安堵しています。

 

自己採点も終えて、いよいよ個別試験の受験が始まりますが、まずは落ち着いて集中力を維持し全力を出し切ってほしいと願っています。現役生、浪人生ともに今年はさまざまな不安がありますが、最終的には自分との闘い(気持ち)に打ち克って、ベストの状態で受験の日を迎えて実力を発揮してほしいと思います。

 2年生・1年生は部活動中止の状態が続いています。今年度は本当に活動の時間が奪われてしまい残念な限りです。予定していた試合などが中止となった部活動もあり無念な思いでいることでしょう。始業式(放送)でも話しましたが、こんな状況の中でも腐らず、コロナのせいにするのではなく、今の自分にとって目指すべき目標を新たに設定して、全力で取り組んでくれることを期待しています。今年度は4月、5月と臨時休業が続きましたが、この間自宅学習に取り組み、学校再開後は7時間目や土曜授業も数多く実施して授業時数を概ね回復できたため、授業の進度はむしろ進んでいるとも聞いています。英検は今年度第2回までで準1級に計23名もの生徒が合格しています。2年生は今、校内で第一志望宣言(決意表明)を行っており、2月上旬には共通テスト模試も控えています。2年生・1年生も毎日を大切にして、授業だけでなくいろいろなことに積極的に挑戦し、自分の「総合力」を高めてほしいと思います。頑張れ和国生!

2学期を振り返って

 2学期は常に新型コロナウイルスの脅威と隣り合わせでしたが、4カ月間を何とか終えることができました。4月~6月中旬までに失った授業時間を取り戻すために、夏休みの短縮以外にも7時間授業(55分授業のため16:45に終了)を15回、土曜授業8回のほか、始業式・終業式の日も授業を行い、定期考査はすべて3日間で実施するなどして概ね授業時数を回復させることができました。日程上やむを得ず土曜授業の前後の金・月が7時間授業になった時もあり、生徒も教員も負担が大変大きかったです。

 学校行事については海外研修や海外修学旅行は中止となりましたが、最大の学校行事である「みづのき祭(文化祭・体育祭)」は夏からの感染再拡大で中止にせざるを得ない状況も想定しながら、それでも独自に感染防止の詳細なガイドラインをつくり、3密回避のために人数や人の動きや活動内容をコントロールするなど「どのようにすれば安全に実施できるか」について実行委員も担当教員も知恵を絞り、さまざまな工夫によってみづのき博覧会(校内発表会)と体育祭(校内)を開催することができました。

 このほか、国際社会で活躍している方のお話を聞く「国際理解講演会」は、南米エクアドルの日本大使館に勤務されている外交官の方にオンラインで講演をしていただきましたし、海外大学の募集説明会や日本人留学生から生の声を聞く交流会もオンラインで開催しました。また、本校は隣接する特別支援学校2校と毎年交流会を行っていますが、今年度はこれも自己紹介やゲームなどをオンラインでも楽しめる工夫をして開催しました。終業式は活躍した生徒の姿を披露したいと思い、初めてオンラインで各教室とをつないで生徒表彰・終業式を実施しました。

 このように多くの活動をオンラインで実施しましたが、やはり直接のコミュニケーションで伝わる力は大きいということも改めて感じました。2学期は各クラスに数多く授業を見に行き、各教科・科目で主体的・対話的で深い学びが得られている場面をたくさん見ることができました。生物基礎の授業では生徒が教師役となってグループの生徒に教える活動がありました。配布用のプリントを用意したり、いかにわかり易く教えられるかを工夫していて、双方にとってとても良い学びがありました。

2年生の英語表現では全員が体育館に集まり、普通科はクラス代表の英語によるプレゼンテーション、外国語科は選抜チームによるディベートを披露しました。日頃から取り組んでいることの成果を学年全員の前で発表するというプレッシャーも受けながらの立派な発表でした。外国語科は3年生で卒業論文(英語)を書きますが、外国語科全員(1年生~3年生)の前で代表生徒が発表(プレゼンテーション)を行っています(Open Presentation)。これは内容的にもプレゼン技術もかなりハイレベルで、外語の後輩たちは先輩のそうした姿を見て刺激を受け、またスキルアップに励んでいます。

 3学期もさまざまな工夫をしながら充実した活動を進めていきたいと考えています。冬休みに入りましたが、冬季課外(補習)が始まり、12月24日(木)、25日(金)は3年生は共通テスト模擬試験(プレテスト)のため登校しています。新型コロナウイルス感染防止のため、部活動は冬休みから1月17日(日)まで中止(大会直前の部を除く)となったため、1・2年生は休み中の過ごし方が変わる生徒も多いですが、感染防止に十分注意しつつ、3学期に良いスタートがきれるように有意義な冬休みを過ごしてほしいと思います。